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2006年4月 6日 (木)

ワールドサッカーオウンゴール第3号 田中マルクス闘莉王編。

田中マルクス闘莉王(Marcus TULIO Tanaka) 本名 マルクス・トゥーリオ・ユウジ・ムルザニ・タナカ 1981年4月24日 ブラジル出身 185cm 82kg 利き足:右 血液型:B型 渋谷幕張高-広島(01年)-水戸(03年)-浦和(04年) 背番号:4 ポジション:ディフェンダー 04年アテネ五輪代表 04、05年Jリーグベストイレブン

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ワールドサッカーオウンゴール(以下WSO):やあ、田中マルクス。まずは、ちょっと古い話になるけど、ゼロックス・スーパーカップの優勝、おめでとう。

田中マルクス闘莉王(以下T):ありがとう。やっぱりタイトルを獲るっていうことは、とても心地の良いものだね。一度タイトルを獲ったら、次もまた欲しくなるっていう話を聞いたことがあるけど、それは本当なんだって実感したよ。

WSO:君にとっては、平成16年のJ1リーグ、セカンドステージ優勝と、今年の天皇杯に続いて3つ目のタイトルだけど、どれが1番うれしかった?

T:そりゃあ、おととしのセカンドステージ優勝だよ。何たって、僕がプロに入ってから、最初に獲ったタイトルだからね。それに、レッズのサポーターもこの優勝を本当に待ちわびていたんだ。僕はその年、レッズに入ってからまだ1年目だったけど、レッズはなかなか勝利に恵まれない歴史を背負うクラブで、J2に降格したこともあったし、その優勝はレッズとサポーターにとって、本当に意味の重い優勝だって気がしたんだ。

WSO:ゼロックス杯で対戦したガンバ大阪の印象はどうだった?

T:間違いなく今年のJ1で、僕らと優勝を争う存在になるね。遠藤、二川、マグノ・アウベス、フェルナンジーニョ、加地、家長など、タレントが揃っているし、西野監督は本当に組織力に長けたチームを作り上げたと思うよ。まあ、チームワークなら僕らのほうが上だけどね(笑)。開幕戦でも引き分けたし、やっぱり去年のチャンピオンチームだからね。次に戦うときにはしっかり叩いておかないと、優勝できないだろうね。

WSO:ゼロックス杯を観た多くのサッカーファンは、今年の浦和に驚いたと思うんだけど。

T:当たり前さ。ただでさえ強かったチームに、(小野)伸二やワシントン、黒部、相馬など、上手い選手がたくさん入ってきたんだからね。驚いたって、レッズの攻撃力のことだろう?レッズの中盤は最高さ。伸二、ポンテ、長谷部にアレックス(三都主)が絡めば、ファンタジーに溢れるサッカーが展開できるよね。それを、国立の大観衆の前で披露できたんだから、気持ちよかったよ。この陣容で、永井と岡野が控えで、(田中)達也がリハビリ中なんだからね。この先、いったいどうなっちゃうんだろうって、今から楽しみで仕方がないよ。あ、言い忘れていたけど、レッズの攻撃には、僕の効果的な攻撃参加がすばらしいアクセントになっていることも、お忘れなく(笑)。

WSO:確かに、浦和の攻撃力には誰もが驚かされた。でも、それは試合前からある程度予想できたことだろう。他に、久しぶりに浦和の試合を見た誰もが驚かされたことがあったんだよ。

T:なんだい、それは?

WSO:君の髪型だよ。(闘莉王、とっさに髪に手を当てる)

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T:何のことかい?

WSO:今年の11日の天皇杯のときは、誰も君の髪型を気に留めなかった。だけど、およそ2ヶ月ぶりに、公式戦で君の髪型を目にした全国のサッカーファンは、みな口々にこう言ったはずさ。「闘莉王、いつの間に禿げちまったんだい?」ってね。

T:……別に逃げも隠れもしないさ。今は、「来るときが来たか」っていう心境だね。遺伝子学的観点からは、僕の頭髪が後退するのは必然だったのさ。おじいちゃんも、パパも髪が薄いからね。がっかりはしているけど、驚きはしていないね。そうだな、おととしの4月に、ディエゴ・マラドーナが瀕死になるっていう騒ぎがあっただろう?そのときは、みんなディエゴの危機を嘆き、悲しみ、回復を髪に祈った。だけど、ディエゴが死にそうになることくらい、みんなわかりきっていただろう?あれだけ太っていて、コカインもやめられずにいたのなら、ディエゴ自身も予期していた事態だったんじゃないかな?そのことと、僕の髪の件は、様子が似ているってわけさ。

WSO:いや、それはちょっと違うだろう。マラドーナの病は、ファンならずとも本気で心配したけど、君の禿げは、多くの人の笑いを誘ったからさ。そこに哀愁はあったかもしれないけど、悲壮感はなかったよね。君の髪そのものが「珍プレー」みたいなものだよ。

T:それじゃ、踏んだり蹴ったりだね。髪が抜けて、何か得することってあると思う?

WSO:そうだなあ……美容室に行かなくてもいいってことは言えるかもね。坊主の人は髪型について、気にかけることはほとんどないからね。

T:いや、僕は自分の髪のことばかり考えているよ。洗髪するのにも、手荒くやったらプチプチプチプチどんどん髪が抜けるから、すごく気を遣うしね。それに、坊主は散発代がいらないけど、禿げは育毛剤代が必要だよ。僕は髪が抜け始めて以来、金と手間がかかって仕方がないよ。

WSO:それじゃあ、無駄な抵抗なんかしないで、自然の赴くままに、髪が抜けていくさまを放置していればいいんじゃない?

T:そういうわけにもいかないんだよ。一応、僕はファンの人に見られる仕事をしているんだからね。プロである以上、身だしなみに無頓着でいるわけにはいかないんだ。まあ、キング・カズ(三浦知良、横浜FC)のようになったら行き過ぎだけどね。彼のファッションセンスには疑問を禁じ得ないよ。コンビニに行くにもスーツを着ていくなんて、頭がどうかしているとしか思えないね。

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WSO:カズはあれが彼のポリシーみたいなものだから、周囲がとやかく言うものじゃないと思うよ。彼だけしか理解できない世界だろうし、彼だけが理解できれば、それでいい世界なのさ。君はちょっと落ち込んでいるみたいだけど、禿げは愛嬌があるように見えるよ。それに、「禿げの人に悪い人はいない」って聞くしね。日頃から苦労をしているから、自然と周りに気を遣えるようになるらしいよ。

T:気休めはよしてくれ。なんだか哀れな気分になってきたよ。

WSO:カズといえば、彼とゴン中山がテレビCMに出演している「アデノゲン」って育毛剤を使ってみればいいんじゃない?

T:もう使ってみたよ。結果は出なかったね。

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WSO:そいつは残念だ。だけど、その行動の早さは評価されてしかるべきものだと思うよ。そもそも、いつから禿げの兆候が出始めたの?

T:話せば長くなるんだけど……。

WSO:じゃあ聞かなくていいや。

T:いや、話すよ。載せなくてもいいから、これは話させてくれ。もともと僕は、ヘディングが苦手だったんだ。でも、それじゃあ空中戦の多いディフェンダーは務まらないから、高校のときの監督――その人は僕を日本に連れてきてくれた恩人なんだけど――にヘディングを練習しろって言われたんだ。それから僕は、毎日、チームの練習が終わった後に、居残りで数え切れないくらいの量のヘディング練習をこなしたんだ。ヘディングって、毛根に多大なダメージを与えるんだよね。でも、僕はチームの勝利に貢献したかったし、日本でプロになりたいって夢があったから、リスクを伴う厳しい練習でも苦しいとは思わなかったね。その頃の積み重ねが、今に生きているなら、ヘディングのしすぎで禿げるのが数年早まったとしても、全然後悔はしていないよ。

WSO:いい話だね。この企画のコンセプトにぴったりだよ。

T:それはどういうことだい?

WSO:本誌(web版)は、国内外の頭髪の後退が著しい選手にインタビューすることを目的としているんだ。過去2回の犠牲者――いや、ゲストは、エステバン・マティアス・カンビアッソ(25歳インテル、アルゼンチン代表)とジネディーヌ・ジダン(33歳、レアル・マドリー、フランス代表)だった。栄えある3人目は、君ってわけさ。本当は、オランダ代表のアリエン・ロッベン(チェルシー、21歳)あたりにインタビューしようと思っていたんだけど、たまたまゼロックス杯を観た編集長が、君の頭髪の後退に驚いて、「闘莉王に緊急インタビューを敢行しろ」と僕に命令したんだ。

T:そうか……怒りのあまり、いい言葉が見つからないけど……光栄だよ。

WSO:今の君のヘアスタイルについて、周りの人たちの評判はどうなの?

T:もともと、僕と親しい人たち――それは浦和の選手も含まれるんだけど――には、2年ほど前から、「お前、ちょっと髪、(後退して)来ているんじゃないか?」って言われていたんだ。でも、僕は「そうか?気のせいだろ」ってごまかしていた。でも、去年の秋くらいには、もはや僕の髪の件は周知の事実で、テレビに映る僕は、すでに禿げ上がってしまった事実を、髪のセットのしかたで隠せていたような状況だったんだ。でも、天皇杯に勝ってから、何だか吹っ切れたのさ。「頭髪の後退がなんだ。見てくれを気にする時間があったら、少しでも多くボールを蹴っていたほうが自分のためになる」ってね。

WSO:心境の変化、ってことだね。サッカー選手としては、まさに鑑のような姿勢だよ。ただ、今の君の髪型は、滑稽で仕方がない、というのが一般的な見方だよ。

T:まあ、「これ以上、何をやっても無駄かな」ってあきらめつつあるのも事実だけどね。今は別に、どんな風に頭部を見られたっていいさ。でも、これから先、僕がピッチの上で確固たる実績を残せば、いずれ僕の髪型を笑う人もいなくなるだろう。ジダンがいいモデルケースさ。98年のワールドカップフランス大会でのジダンの華麗なプレーは、世界中の人々に衝撃を与えた。僕も、ジダンのプレーに酔いしれた。でも、多くの人は、ジダンのファンタジーアと同じくらい、その髪型に衝撃を受けた。僕も、「ジダンはもの凄く上手いけど、あの髪型で印象は減点されるな」って分析していたね。まだ僕の髪がふさふさだったころの話さ。時は流れて、現在、世界中のサッカーファンは、未だにジダンのテクニックに驚かされ続けている。でも、ジダンの頭髪の後退に関心を示す人は、ほとんどいなくなっただろう。彼は、ヨーロッパで実績を積むと同時に、髪は年々薄くなっている。でも、みんなもう見慣れちまったのさ。僕はジダンのように、禿げていても、それを補って余りあるくらいの、グレイトな活躍を見せたいって思っているんだ。

WSO:すごく強い決意を持っているんだね。今の君には、大きな可能性を感じるよ。「ジダンのようになる」って思えたことは、禿げ上がってしまったことによって生じたメリットの一つに数えていいんじゃないかな。

T:そうだね。禿げていても、好きなサッカーでお金をもらえているんだから、僕は幸せ者だよ。

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WSO:じゃあ、そんな闘莉王の、今シーズンの目標を聞かせてよ。

T:そうだなあ。J1優勝、ナビスコカップ、天皇杯連覇……欲しくないタイトルなんて1つもないから、全部狙いに行きたいね。そして、海外移籍の足掛かりを作りたい。ヨーロッパでプレーすることは、僕の夢なんだ。今は浦和の勝利に尽くすつもりだけど、僕のパフォーマンスが良ければ、自然と魅力的なオファーがついてくるって信じているよ。

WSO:あれ?日本代表入りっていう目標はないのかい?

T:もちろん、僕が代表に呼ばれたら、大はしゃぎであのブルーのユニホームに袖を通すさ。でも、アンツール・アンツネス・コインブラ監督が僕に興味を持っていないってことは、誰の目にも明らかだろう?浦和からは、(小野)伸二、アレックス、長谷部、坪井が代表の常連になっているし、(田中)達也やGKの都築、それに永井や山田(暢久)、黒部も、代表に呼ばれたことがある。浦和は、代表歴のある選手だらけのクラブさ。なのに、僕には一向に声が掛からない。コインブラは、鹿島だけでなく、浦和の試合も観ているんだろう?ちゃんとサッカーのことがわかっている人なら、なんであんなに不安定でトリッキーなプレーに弱く、これといった長所のない坪井を呼んで、僕を呼ばないんだい?彼の目は節穴だよ。だから、僕はそんなコインブラに呪いをかけてやったのさ。実は、彼が胃腸炎で入院したのは、それが原因なんだよ。

WSO:それ(呪い)は虚言だろうけど、君はずいぶんジーコに嫌悪感を抱いているんだね。彼は君の母国ブラジルの英雄だよ?ジーコの考え方には、敬意を示さないのかい?

T:いや、コインブラは監督の資質がないね。彼が好んで使う選手は、みんな致命的な欠点を抱えているよ。まず、GKの(川口)能活。彼は、食生活に偏りがあるようだね。きゅうりのキューちゃんばかり食べているから、塩分を取りすぎている。あれじゃあ、高血圧と動脈硬化を招くよ。

 

 http://www.kyuchan.co.jp/atsuku/cam_sp_2006_top.html

 

同じ理由で、(小野)伸二も育ちが良くない。彼は、「バーモント育ち」を自負してしるだろう?カレーばっかり食っていたら、丈夫な身体にならないよ。まあ、レトルトじゃないだけ栄養価的にはマシかな。中澤も気に入らないね。あのふさふさした「ボンバーヘッド」は、僕に対するあてつけかい?加地に至っては、サッカーなんかしている場合じゃないんじゃないかな?彼は、家が燃えているからね。小笠原や久保に関しては、ワールドカップ予選の前夜という、サッカーのことに集中すべき大事な時間を、キャバクラで豪遊して費やした。とっても有意義な時間の使い方だと思うよ。プロ意識のかけらもないね。そんなヘタレ共が、今や代表の有力なレギュラー候補だ。信じ難い事実だよ。大黒は、去年の暮れに、東京フレンドパークの収録で怪我して、天皇杯を欠場しただろう。浦和をひいきしているTBSの陰謀を感じるね。F1のファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス、コロンビア)が好きな彼のことだから、どうせスタジオで大暴れしすぎたんだろう。彼には、信頼性の低いメルセデスのエンジンが積んであるみたいだね。そういえば、鈴木隆行って、どこに行っちまったんだい?Jリーグの選手名鑑を見ても載っていないし、海外で活躍しているって話も聞いたためしがない。彼は、自分探しの旅にでも出かけたのかな?柳沢は、例のカリスマモデルR花に精魂を片っ端から吸い取られたみたいだね。ここ数年、全く覇気が感じられないよ。中田英寿は、トヨタの「wish」っていう車のコマーシャルに出ているけど、今の彼には、ピッチの上では全く期待することはないね。(中村)俊輔は、ヤマダ電機のサッカー部に入っちまっただろう。この前、ヤマダ電機って書いてあるユニホームを着た彼がテレビに出ていたよ。スコティッシュ・プレミアリーグのグラスゴー・セルティックを蹴って、どこのレベルのカテゴリーに所属しているのかもわからないヤマダ電機なんかに入社するなんて……「すっげーハツラツ」などとほざいている場合じゃないんじゃないかな。彼は著しく迷走している感が否めないね。

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迷走といえば、大黒だ。彼は、ダイハツのムーヴに乗ってどっかに消えてしまえばいいのにね。

WSO:大黒の名前が出るの、2回目だよ。さあ、ずいぶんと大放談しているようだけど、そろそろインタビューを締めくくろうか。じゃあ、ジーコに対するメッセージを贈ってよ。

T:コインブラ、君が僕を代表に召集しない理由はよーくわかっているんだ。「禿げたブラジル人は日本代表に2人もいらない」ってことだろ?そんな君を、僕は見返してやるつもりだから、覚悟しておけよ。

WSO:それは、誰もが納得する極上のプレーを見せて、世論の後押しを受けて代表入りするってことだね?

T:違う。僕の目指すところはただ一つ、コインブラとキャラがかぶらないようにすること、つまり、増毛だ。

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