最近、プロ野球の春季キャンプにおいて、連日、第二回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表候補となっている選手たちが練習する様子が、各メディアで競うように報道されています。
そもそも、キャンプファイヤーもマイムマイムも味の薄いカレーライスもないキャンプを、キャンプと呼んでいいのかどうか……あんなものは、「春季南国合同練習」に改称せよと声高に叫びたいところですか、今回はそのようなことを主張する記事ではありません。
問題を提起したいのは、WBCの代表候補の顔ぶれです。
ご存知ですか?若大将こと原辰徳監督代行以下首脳陣が選出した「一次候補」の顔ぶれを。
私はこのメンバーリストを見て、
「何だ、このふざけた人選は。そんなにたくさん球拾いと用具係は必要ないだろう」
と、ひどく落胆しました。
WBCのような、重要な国際舞台に出場する選手には、最も重要かつ、絶対に欠かせない資質があります。
それは、経験です。
「仮に」選ばれた選手たちの多くは、この経験が圧倒的に不足しています。
話は少し逸れますが、岡田暫定監督が率いるサッカーの男子日本代表の退屈な試合を観ていると、いつも歯ぎしりをしてしまいます。
岡崎や香川、内田篤人のような、高校サッカーに毛の生えた程度の選手が幅を利かせているようでは、インドにも勝てないだろう、と。
若い選手は圧倒的に力不足です。経験が足りなさ過ぎます。心許ないこと甚だしいです。
ジュビロ磐田には、Jリーグで157回もゴールネットを揺らした伝説的ストライカーが所属していることを、存じていない方はいらっしゃらないでしょう。
彼はワールドカップの舞台でもゴールを決めたことがあります。
また、15歳でブラジルに渡り、後年にはイタリア、クロアチア、オーストラリアでもプレーした「日本サッカー界の王様」も、代表からは久しく遠ざかっています。
この選択は、到底、正気の沙汰とは思えません。
岡田暫定監督が犯したこのミステイクの結果、11日に行われたワールドカップ・南アフリカ大会アジア最終予選のオーストラリア戦では、スコアレス・ドローに終わり、ファンは落胆しました。世論調査では、65%が岡田辞めろと思っているそうですが、その人達に朗報です。
間もなく、岡田暫定監督の政権は終わりを告げるでしょう。
WBCの日本代表は、サッカーの男子日本代表と同じ轍を踏んではいけません。
今一度、代表選手の選択を再考して頂きたく、
「私が選ぶ WBC最強代表候補」
のリストをここに掲載したいと思います。
それではどうぞ、ご覧ください。
(*年齢は開幕戦が行われる3月5日現在です。)
投手
山本昌広(43、中日)……昨季は11勝を挙げ、通算200勝の金字塔を樹立するなど、その左腕に衰えの色は一切見られない。技巧の極みを尽くした投球術もさることながら、本場、米国でのラジコン・レース挑戦にも期待が集まる。
工藤公康(45、横浜)……通算222勝。アラフォーどころかアラフィフに向かって投げ続ける「人間国宝」。WBCで名を上げて、MLBからのオファーを狙っている。
黒田博樹(34、ドジャース)……(関西を除く)日本中を感動の渦に巻き込んだカープ残留劇から2年余。再び黒田が男一代の晴れ姿を見せる。第一回WBCは負傷で戦線離脱の憂き目に。決勝の舞台は本拠地、ドジャースタジアム。もちろん、胴上げ投手を狙う。
斎藤隆(39、レッドソックス)……合衆国でその球威が復活。時津風部屋での凄惨たる記憶は消えようがないが、WBCのタイトルで上塗りする決意だ。
西口文也(36、西武)……飄々と投げ続けて早や15年目のシーズンを迎える。涌井?岸?興味がないね。ライオンズのエースは今も昔も西口文也その人である。
岩隈久志(27、東北楽天)……昨年、21勝の金字塔を樹立。ダルビッシュを抑えてのパ・リーグ最優秀選手賞、沢村賞のタイトル獲得は近年稀に見る快挙。ただし、チームは辛うじて最下位を免れた。岩隈が築いた17の貯金は、一体どこに消えたのか。「2008年度球界の七不思議」があれば、間違いなくトップに挙がる事項だ。
高津臣吾(40、無所属)……NPB通算286セーブは史上最多。昨年は韓国球界でプレーした。シカゴ・ホワイトソックス時代は「ミスター・ゼロ」という異名をとるほどの安定感を誇っただけに、再び国際舞台でシンカーを武器に真価を発揮してほしいところ。
桑田真澄(40、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科)……昨年3月に引退も、同7月に清原和博氏と真剣勝負を演じるなど、その右腕に陰りなし。「レインボール」が再び全米を震撼させる。
小宮山悟(43、千葉ロッテ)……今、日本球界を代表する「最も年齢を感じさせない投手」。ミリ単位でコーナーに投げ分けるコントロールは芸術の域。02年にメッツでメジャー・リーグを経験しており、国際舞台への対応に不安なし。魔球・シェイクボールが球場をどよめきで揺らす。
高橋建(39、ブルージェイズ)……不器用でも男は黙って仕事をこなす、その姿勢に共感を持てば、誰もが彼のことを「建さん」と呼びたくなる。今年、不惑を迎えるものの、その能力はまだ成長途上にある。
斉藤和巳(31、福岡ダイエー)……類稀なる闘争心で打者を圧倒する「鷹の絶対的エース」は、未だ右肩手術からの回復途上。しかし、王貞治テクニカル・ディレクターへの恩返しのため、世界の舞台で復活を果たす。
野茂英雄(40、オリックス・テクニカル・アドバイザー)……家電メーカー「パイオニア」の名誉取締役会長(候補)。オリックス春季キャンプへの参加は、現役復帰への調整を意味している。決勝の地、ロサンゼルスにトルネードが甦る。
捕手
里崎智也(31、千葉ロッテ)……前回大会は正捕手。メタボリックな体型は、昔のキャッチャーを思い起こさせる。
内野手
山崎武司(40、東北楽天)……2007年には38歳で43本塁打。「楽天球団史上最強打者」の称号をほしいままにする「球界のジャイアン」。鈍足を極めるが、愛車はフェラーリ。
高須洋介(33、東北楽天)……「日本球界最高の二塁手」の称号を誇る。得点圏に走者を置いたとき、この小兵は恐怖のクラッチヒッターと化す。
小笠原道大(35、巨人)……低迷を続ける巨人の選手に、その野球に対する真摯な姿勢を見せ付け、「ガッツ」加入後の巨人はセ・リーグ二連覇を果たした。長嶋ジャパン時代は、ノーヒットに終わった次の試合前に、ミスターから打撃のアドバイスを受け、大いに感激。ミスターのご厚意に応える打棒を披露した。
石井琢朗(38、広島)……名球会遊撃手は今年、20年を過ごした横浜を離れ、大打者・新井(現虎)が着けていた「25番」を身に纏い、新広島市民球場のピッチに立つ。走攻守が揃ったマシンガン打線の核弾頭は、まだ野心を失っていない。
仁志敏久(37、横浜)……絶妙なポジショニングセンスを誇る守備で魅せる、「猛牛」千葉茂氏、篠塚和典氏と並ぶ「巨人軍史上最高の二塁手」。昨年、横浜はベテラン選手の粛清という愚行を犯したが、どういうわけか仁志と工藤はどこ吹く風。
小久保裕紀(37、福岡ダイエー)……広い福岡ドームを主戦場にしながら、通算366本塁打を記録した、華麗なるホームラン・アーチスト。近い将来のダイエー監督就任が確実視されるリーダーシップを持ち合わせるが、税金を払わない癖が玉に瑕。
松中信彦(35、福岡ダイエー)……04年に三冠王の座に就いたことを覚えている人はどれだけいるのだろうか。自ら社長を務めるソフトバンクの携帯電話の契約数と自身の体重は順調に増えているが、成績は下降線の一途。それでも、前回大会で四番を打った実績は何事にも代えがたい。
江藤智(38、西武)……今でも打撃練習時の飛距離はチーム一を誇るという、天性のスラッガー。ミスターから背番号33を受け継いだ、誉れ高き男。バルセロナでもエトーは絶大な人気を博す。
立浪和義(39、中日)……数多の球団記録を保持する「ミスター・ドラゴンズ」は、「ミスター・プロ野球」の通算2471安打に、あと12本で並ぶ。もちろん現役NPB選手最多安打打者。キャッチコピーは「梅宮辰夫を恐れない男」。
清原和博(41、無所属)……晩年の番長を悩ませた膝の故障は、もう癒えた。幻に終わった「復帰第一号」は世界の舞台で放つ。彼こそ「ケビン山崎の最高傑作」。KKコンビ復活で世界の頂点を極める。
外野手
前田智徳(37、広島)……その存在自体が伝説的。かのイチローが「天才」と称した男・前田がついに国際舞台でその打棒を披露する。
緒方孝市(40、広島)……打撃コーチを兼任。走攻守の三拍子が揃うとは、緒方のような選手のことを指す。95年から97年まで三年連続盗塁王。元巨人の緒方耕一も90年と93年に盗塁王を獲得しており、90年代のセ・リーグ盗塁王は実に五度、「オガタコウイチ」によって占められている。
清水崇行(35、西武)……2002年に191安打を放ち、セ・リーグ最多安打のタイトルを獲得。あの吉村禎章を彷彿とさせるライナーで、長く巨人の上位打線を張った。今年、出場機会を求めて西武に移籍。まずは所属クラブで定位置を確保といきたいところだが、WBCの舞台で、「Go West」を響かせる仕事が待っている。
和田一浩(36、中日)……ある意味、球界最年長選手。前回大会は尿管結石を患い、戦力にならなかった。現在、球界で最も併殺打に哀愁を感じさせる選手。信じられないことに、出身の県立岐阜商業高校の同級生に、あの「Qちゃん」こと高橋尚子氏がいる。とても同い年には見えないが、今年もベンちゃんは老体に鞭を打ってオープンスタンスから強打を放つ。
木村拓也(36、巨人)……投手以外の全てのポジションをこなす仕事人。毎年、シーズン開幕前に、キムタクが「予想オーダー」に名を連ねることは皆無だが、何のことはない。いろいろ誤算が生じて、5月くらいにはキムタクがレギュラーに収まっているだろう。去年も正二塁手だったゴンザレスがシーズン途中に突然いなくなった穴を埋めた。
大道典嘉(39、巨人)……南海ホークスのユニホームを着た最後の現役選手は、重たい身体を揺らしながら、短く持ったバットで巧打を見せる。昨年のダイエー戦で杉内から放った9回裏の代打同点本塁打は、「メークレジェンド」を象徴する名場面。
鈴木一朗(35、マリナーズ)……ここ10年あまりの米国野球界において、ステロイドを使っていない選手の中では、間違いなく最高の選手だろう。前回大会の二次リーグ、韓国戦に敗れた直後には、「F××K!」という放送禁止用語を叫ぶなど、すっかりメジャーになじんでいる。
松井秀喜(34、ヤンキース)……連続試合出場記録は無限に続くと思われた鉄人も、今や満身創痍の身体と付き合っている状態。しかし、秀喜はヤ軍でのワールド・チャンピオンと合わせ、今年、二度世界を制す。また、二世の誕生も待望される。
首脳陣
投手コーチ
金田正一……前人未到の400勝を挙げ、名球界に二度名を連ねた。ロッテ監督時代はカネヤンのワンマンチームを形成。三塁ベースコーチも兼任。
守備走塁コーチ
大沢啓二……球界において、いまだ「親分」の威光は色褪せていない。チームが苦しいとき、ベンチで張さんの分まで喝を入れる。劇団ひとりは義理の孫。
打撃コーチ
原辰徳……若大将にWBC監督の座は、いささか荷が重過ぎる。しかし、チーム愛を体現する存在として、必要不可欠。「メークレジェンド第二章」を実現させる。
大島康徳……昭和49年10月14日、後楽園球場で行われた巨人対中日戦。ミスタープロ野球・長嶋茂雄の引退試合という、東京オリンピック開会式と並ぶ歴史的な日に、あろうことか、中日ナインは名古屋でセ・リーグ優勝パレードを強行し、後楽園には二軍の選手だけを連れてきた。一軍の主力選手だった大島は、当然、パレードに参加する予定だったが、「ミスターの引退試合に、二軍のメンバーで迎え撃つという無礼があってはならない。俺はパレードよりもミスターの最後の勇姿に立ち会う」と決意し、中日の「4番三塁」として出場した。後年、大島は日本ハムの監督に就任。巨人の長嶋監督から、「ハムちゃん」という愛称を付けられるという栄誉に浴し、感激を極めた。
ヘッドコーチ
王貞治……前回大会の指揮官。日本が世界に誇る人格者。前回大会では、イチローらが「王監督を男にしよう」と意気込み、奇跡の世界一に輝いた。
監督
長嶋茂雄……昭和34年6月25日、天覧試合で劇的なサヨナラ・ホームランを放った瞬間、スタンドで観覧されていた昭和天皇から、神への道に誘われる。新人の年に「ゴールデン・ボーイ」と称された通り、ミスターが触った物は、全て金色に輝く。しかし、誰よりも日本代表への強い思い入れを持つミスターは、愛弟子・松井秀喜の手によって悲願の金メダルを贈られる事を熱望している。一世一代の大舞台、アテネ五輪は脳梗塞で参加できず。しかし、選手たちは「長嶋ジャパン」の一員であることに誇りを抱き、高校生のように全力で戦った。そして今、6年ぶりにミスターがジャパンのユニホームに袖を通し、「For The Flag」のスローガンの下、チームは一丸となる。3月23日、決勝の舞台、ナインが感涙にむせぶドジャースタジアムで、表彰台の真ん中に日の丸を掲げる。
いかがでしょうか。
このメンバー、首脳陣を揃えれば、アメリカもドミニカもキューバも、「長嶋ジャパン」に恐れをなし、尻尾を巻いて逃げていくことでしょう。
これだけ経験豊富な選手が名を連ねたら、安心して見ていられます。
北京五輪で頻発した、若さゆえの過ちとは無縁です。
捕手が少なすぎるという疑問があると思いますが、安心してください。
ガッツとベンちゃんとキムタクとエトーは、キャッチャーが出来ます。
決勝戦が行われるのは3月23日、月曜日。
普段、どんなに忙しい会社も、この日ばかりは、社員に有給休暇の使用を奨励し、社会機能が停止するでしょう。
そして、来年以降、3月23日は、祝日に変わります。
「ミスターがロサンゼルスの空に舞った日」として。
そして、「ミスターの右腕が動いた、奇跡の日」として。
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