F1ブラックフラッグ 平成21年秋季号。
今年も極めて退屈なシーズンに終始した、F1世界選手権。
そんな腐敗しきったF1界に喝を入れるべく、F1ジャパン・パワーの第一人者が立ち上がりました。
「F1界のハンカチ王子」こと佐藤琢磨(元BARホンダ)
独占大放談2009
F1ブラックフラッグ(以下B)「やあ琢磨、相変わらず退屈しているのかい?」
琢磨(以下YS)「そんなことないさ。今日はブルペンで80球ほど投げて、一杯ひっかけてからここに来たのさ」
B「そうかい。しかし、田中のマー君にもずいぶんと差をつけられたし、甲子園の決勝で見せたような直球の切れも戻らないし、このままじゃあ東京六大学の通算最多勝利記録(48勝)には程遠いよね」
YS「そんな記録には興味はないね。俺が見据えるのはただ一つ、Mシューが持つF1通算91勝の金字塔だけさ」
B「ずいぶんと大口を叩いているようだけど、そもそも所属チームがないんじゃあ話にならないよね」
YS「心配には及ばないよ。俺はこのオフ、引く手あまたさ。根拠はないけどね」
B「どこのチームに行きたい?」
YS「ブラウンGPとレッドブルと足して2で割ったようなマシンに、KERSを搭載するチームだね」
B「そういや、KERSって革命的だよね」
YS「超びっくりだね。あんなのずるいよ。今年の春先は、趣味の自転車でよく『KERSごっこ』をやったものさ。なんのことなはい。突然6秒くらいスピード上げてペダル漕いで、また元のスピードに戻すのさ」
B「シケインではそのテク使えないだろ?」
YS「お構いなしさ」
B「それじゃ、ここからは今シーズンのF1界について大いに語ってもらおう。まずは、中嶋一貴だ。彼のパフォーマンスについてどう思う?」
YS「去年から薄々感じていたことだけど、今年、はっきりとわかったことがある。奴は遅いな。同じマシンに乗るニコロズは34.5ポイント(第15戦日本GP終了時点)。一貴はなんとZERO!!」
B「君がウィリアムズのマシンを駆ったらどんな成績を残したと思う?」
YS「ざっと5~6勝はしたんじゃないかな」
B「君はBAR時代、チームメイトのバトンにずいぶん差をつけられていなかったっけ?」
YS「そんな昔のことは忘れたね」
B「今シーズンもっとも印象に残ったシーンを教えてくれるかい?」
YS「そうだな……スパでフィジ子が2位になったことかな。インド製の車であのパフォーマンスは驚異的だよね」
B「フィジケラはジョーダン時代、君のチームメイトだったよね(2002年)」
YS「そうだね。フォース・インディアの元はジョーダンになるし、感慨深いものがあるよ。そういえば、インドで思い出したけど、カーティケヤンって今なにをしているのかな?」
B「知らねーよ。ところで、フィジケラはイタリアGPからフェラーリのドライバーに抜擢された。正直、嫉妬(ジェラシー)を感じたんじゃない?」
YS「まあね。『フィジ子、この野郎』の一言に尽きるね。腹いせに奴の携帯に3回ほど無言電話をかけてやったよ」
B「お前も小さい人間だなあ。ところで、マッサが負傷でチームを離れた後、バドエルが恥ずかしい走りを晒し、一時的に君がマッサの代役としてフェラーリのシートに収まるっていう噂があったよね。そのときの心境を聞かせてくれるかい?」
YS「『キタキタキターッ』ってとこかな。まあ、直後に俺じゃないって知って『皇帝、この野郎』って思ったけどね。フェラーリって、NPBでいえば巨人みたいなチームだよね。赤いマシンに憧れないF1ドライバーなんていないよ」
B「君の肩書きは『元』F1ドライバーだけどね。巨人といえば、来年、君はドラフトにかかるよね。今、菊池雄星投手(花巻東高)がメジャーに行くか、国内球団に行くか、はたまた富山サンダーバーズに行くかで大いに注目を集めている。彼の動向は君の進路にも影響するから、気になっているんじゃない?」
YS「いや、俺より格の劣るピッチャーのことなど眼中にないね。それより、F1の話をしようよ」
B「そうだね。じゃあ、キミ・ライッコネンが復調するために必要なことは?」
YS「禁酒。それだけだ。KERSが軽量化に成功してフェラーリのポテンシャルが上がったのに、奴の体重も増えたら、元の木阿弥だ。もはや黒人がラスト1周でクラッシュするのを待つしかなくなるよね。モンツァでの話さ。キミにはもはや優勝など期待できそうにないね。奴は最初から3位に入ることしか眼中にないようだ。表彰台に上がりさえすれば、うまいシャンパンが飲めるからね」
B「フェラーリの来季のラインナップはF・マッサとF・アロンソだってさ。ライッコネンは来季、どこで走ればいいと思う?」
YS「フェラーリに残ってサード・ドライバーが関の山だね」
B「去年のシンガポールでN・ピケJr.がチームからの指示で故意にクラッシュした事件があっただろう。それについての見解を聞かせてくれるかい?」
YS「俺はその頃、アグリのチームから放り出されて失意の中にいたから、その出来事はよく知らないね。ただ一つ思うのは、グロージャンじゃなくて俺をルノーのマシンに乗せろ!ってことかな」
B「今季はシーズン途中でのドライバー交代が多かった印象がある。バドエル、フィジ子、グロージャン、アルなんとかかんとかっていうトロロッソの若い奴にトニオ、そして小林……。佑樹、いや琢磨、君はこの間隙を突けなかった。それはつまり、君にはもはやF1の世界に居場所がないってことを意味するのかな?」
YS「ふざけんな。俺は今、引退状態にあるけど、それは充電期間であって復帰への準備は整っているよ。かつてマイケル・ジョーダンやランス・アームストロング、クルム伊達公子、山本聖子、そして朝青龍がそうしたようにね。俺の頭の中にははっきりとイメージできている。表彰台の中央で君が代を聴きながら、青いハンカチで涙を拭う自分の姿がね」
B「意欲は十分に伝わった。まずは去年みたいにどっかのチームからオフのテストに招待されて、誰もが納得するようなパフォーマンスを見せないとね」
YS「そうだな。大学のテストは難しいけど、単位は落とせないよね」
B「それじゃあ最後に、君を待っている日本のF1ファンにメッセージをちょうだい」
YS「俺は必ずサーキットに戻ってくる。自信はあるし、俺みたいなエキサイティングで少々危険なドライバーは、レースの華だって自負している。ただ、もしも万が一、俺が来年、どこのチームのシートも得られなかったら、そのときはみんな、『F1は終わった』って理解してくれよ」



















































































最近のコメント